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自筆証書遺言とは

更新日:2025年11月29日
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相続をめぐるトラブルは、家族仲の良いご家庭でも起こり得る身近な問題です。財産の分け方に対する認識のズレや、思い込みによる誤解がきっかけで争いに発展してしまうことは決して珍しくありません。
こうしたトラブルを未然に防ぎ、ご自身の意思を確実に残すために最も有効な手段が「遺言書」です。

遺言書にはいくつか種類がありますが、その中でも多くの方に利用されているのが 、
「自筆証書遺言」 です。今回は自筆証書遺言とは何か、その特徴や作成ポイント、注意点について
行政書士の視点から分かりやすく解説します。

自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言とは、遺言者が全文・日付・氏名を自分の手で書き、押印して作成する遺言書をいいます。
公証役場を利用する「公正証書遺言」と異なり、費用をかけずに自宅で手軽に作成できることが大きな特徴です。

民法では、遺言の方式に厳格なルールが定められており、形式を満たしていない遺言書は無効となるおそれがあります。そのため、シンプルでありながらも正確に作成する必要がある形式と言えます。

自筆証書遺言のメリット

①費用がかからない
 公正証書遺言は公証人手数料が必要ですが、自筆証書遺言は紙と筆記具さえあれば作成できます。

②誰にも知られずに作成できる
 自分だけで作成・保管できるため、内容を秘密にしたい場合に適しています。

③思い立ったときに作れる
 病気や高齢で外出が難しい場合でも、自宅でそのまま作成できます。

自筆証書遺言のデメリット・注意点

①形式不備による無効リスク
 全文自書、日付の記載、押印など、民法上の要件を満たしていないと無効になります。

②紛失・改ざんのリスク
 自分で保管する場合、遺言書が見つからない、内容が書き換えられた、といったトラブルの可能性が
 あります。

③相続開始後に家庭裁判所で“検認”が必要
 公正証書遺言と違い、相続が始まると家庭裁判所で「遺言書の形式を確認する手続き(検認)」が必要
 になります。これにより、相続手続きの開始が遅れる場合もあります。

法務局の「自筆証書遺言保管制度」も活用可能

2020年から、遺言書を法務局で預かってくれる自筆証書遺言保管制度 がスタートしました。

この制度を利用すると、

  • 遺言書の紛失・改ざんを防げる
  • 検認が不要
  • 法務局職員が形式チェックを行ってくれる(内容確認はしない)

というメリットがあります。

自筆証書遺言の弱点をカバーできるため、近年利用者が増えている制度です。

自筆証書遺言に記載すべき基本事項

自筆証書遺言に必ず記載しておきたい内容は次のとおりです。

 ①財産を誰に・どれだけ相続させるか
 ②遺言執行者の指定(遺言の内容を実現する役割)
 ③保険・預金・不動産などの財産情報をできるだけ明確に記載
 ④その他の希望(葬儀、墓、ペットの世話など)

    財産の記載に誤りがあると、遺言の解釈をめぐって争いが生じることがあります。
    不動産の表示などは登記事項証明書を基に正確に書くことが重要です。

    自筆証書遺言は「手軽ですが、慎重に」作るべきものです

    自筆証書遺言は、一見すると“気軽に書ける遺言書”ですが、法的な有効性を確保するには細心の注意が必要です。形式不備で無効になったり、内容の曖昧さから家族間の争いにつながったりする例は少なくありません。

    「書いたけれど本当にこれで大丈夫だろうか?」
    「相続人が揉めないように整えておきたい」

    そんな不安がある方は、行政書士にご相談ください。
    遺言書は、残される家族への“最後のメッセージ”であり、“思いやりの形”でもあります。
    あなたの意思が確実に伝わり、大切な人を守れるよう、専門家としてしっかりサポートいたします。

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