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遺言と異なる内容の遺産分割協議はできるか

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相続に関するご相談をお受けしていると、「遺言書が残されているのですが、家族で話し合って違う分け方にしても問題ないのでしょうか?」という質問をいただきます。

遺言は被相続人の最終意思であり、原則としてはその内容通りに相続手続きを進めることになります。しかし、家庭の事情はさまざまで、遺言通りにすると負担が大きくなる人がいたり、遺言作成時から状況が変わってしまっているケースもあります。

では、相続人全員が納得した場合、遺言と異なる内容で遺産分割を行うことはできるのでしょうか?
結論を申し上げると、相続人全員の合意がある限り、遺言と異なる内容で遺産分割協議を行うことは可能です。

なぜ遺言よりも遺産分割協議の内容が優先されるか

一見すると、「遺言は絶対に守らないといけない」と思われがちですが、実はそうではありません。
その理由は、遺言の内容を実現する義務を負うのは相続人自身であり、その相続人が全員揃って「別の方法が良い」と合意すれば、遺言の拘束力を超えることができるためです。

つまり、

  • 遺言で長男に自宅を相続させると書かれていても、
  • 相続人全員が「自宅は売却し、その代金を均等に分けたい」と合意すれば、

その内容で遺産分割協議書を作成し、手続きを進めることができます。
この柔軟性が、家族の状況に合わせて調整できる大きなメリットとなります。

具体的なケース別の例

遺言が古く、家族の状況と合わなくなっているケース

10年以上前に作成された遺言では、当時の家族構成と現在が異なる場合があります。

  • 子どもが独立して生活環境が変わった
  • 被相続人が生前に財産を使い、遺言通りに分けることが困難
  • 遺産の価値が大きく変動した

こうした場合、相続人全員の話し合いにより現実的な分割方法に変更できます。

家族の公平性を重視したいケース

遺言では長男に自宅、次男に預貯金というように偏った財産配分がされていることがあります。
しかし、

  • 「兄弟でできるだけ平等にしたい」
  • 「現状に合わせてバランスを取りたい」

といった家族の意向がある場合は協議で調整できます。

遺言通りにすると不利益を被る人がいるケース

たとえば、自宅を単独相続するよう指定されている相続人が「住宅ローン返済や維持費の負担が重いため受け取りたくない」場合もあります。このようなときは全員で話し合って別案に変更できます。

遺言と異なる内容で遺産分割協議をする際の注意点

遺言と違う分け方が可能とはいえ、いくつかの重要な注意点があります。

相続人全員の合意が必須

1人でも反対する相続人がいれば、協議は成立しません。
遺産分割協議書には、

  • 全員の署名
  • 実印による押印
  • 印鑑証明書
    が必要となります。

受遺者(がいる場合

遺言により財産を受け取るのが相続人以外(友人、親戚、団体など)の場合、その人の権利を害する内容に勝手に変更することはできません。変更する際には受遺者本人の同意が必要です。

遺言執行者が指定されている場合

遺言の内容を実現する「遺言執行者」が指定されている場合は、協議による変更自体は可能ですが、

  • 手続きの調整
  • 事務処理上の確認
    などが必要になります。
    無断で進めるとトラブルにつながるため注意が必要です。

税務上の注意

遺産分割協議で遺言と異なる分割をした場合、内容によっては税務署から贈与とみなされてしまうことがあるため、極端な不公平分割は要注意です。

遺言と異なる協議を行うメリット
  • 家族全員が納得する方法を選べる
  • 時代や状況に合わせて柔軟に対応できる
  • 相続トラブルの防止につながる
  • 財産の価値や使用状況を踏まえた現実的な分割ができる

遺言書があっても、それが“絶対”というわけではありません。家族の話し合いでより良い方法が見つかることも多々あります。

行政書士ができること

行政書士は、

  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続関係説明図・財産目録の作成
  • 相続に必要な戸籍収集
  • 遺言内容と協議内容の調整についてのアドバイス
    など、相続手続きを幅広くサポートしています。

遺言書がある場合でも、家族の事情に寄り添った最適な相続を実現するためには、遺産分割協議が大きな役割を果たします。不明点や不安があれば、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

「遺言と違う内容にしたいけど問題ない?」「どんな書類を用意すればいい?」「相続人全員の意見を整理したい」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

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