数次相続とは
相続では、家族関係や死亡のタイミングによって、思わぬ形で相続人が増えたり、相続分が変わったりすることがあります。その中でも特に複雑で、実務上のトラブルが起きやすいのが 数次相続です。
今回は、「数次相続とは何か?」「どんな場合に起きるのか?」について解説します。
数次相続とは
数次相続とは、ひとつの相続が終わる前に、相続人の一部が亡くなり、次の相続が連続して発生してしまう状態をいいます。
もう少し簡単に言うと、
- Aさんが亡くなる
- Aさんの遺産分割が終わる前に、相続人のBさんが亡くなる
- Bさんの相続が同時に発生し、Aさんの遺産とBさんの遺産が混ざる
というような状況が「数次相続」です。
数次相続が起きるよくあるケース
ケース1:親の遺産分割が終わらないうちに、子どもが亡くなった
例
- 父Aが亡くなる
- 相続人は母B、子C、子D
- 遺産分割協議中に子Cが死亡
- 子Cの相続人(配偶者や子)が新たに話し合いに参加する
このように、相続人が突然増え、協議が複雑化します。
ケース2:高齢者が続けて亡くなる
高齢の夫婦や兄弟姉妹が立て続けに亡くなると、
相続が連鎖するように発生します。
特に高齢の場合、
- 体調不良で手続きが進まない
- 遺産分割が長引く
などの理由から数次相続になりやすいのが特徴です。
ケース3:相続放置で何十年も経過した場合
「そのうち手続きしよう」と相続を放置していると、
最初の相続人が順に亡くなり、相続人が雪だるま式に増えていくことがあります。
結果として、
- 相続人が10人以上に増える
- 全員の所在がわからない
- 遺産分割協議ができない
という深刻な状況になりかねません。
数次相続が起きると何が大変なのか
①相続人が増えすぎて話し合いが進まない
たった1つの不動産を分けるだけでも、数次相続により相続人が何十人に増えることがあります。
全員の同意が必要なため、協議が成立しなくなることも。
②戸籍調査が非常に複雑になる
数次相続の場合、
- 最初の被相続人
- 途中で亡くなった相続人
- 新たに相続に参加する相続人のすべての戸籍を調べる必要があり、専門家でなければ困難です。
③不動産の名義変更ができないまま放置される
相続登記をしないと、
- 売れない
- 貸せない
- 担保にできない
という状態が続きます。
結果として、その不動産が「負動産」となってしまう場合もあります。
数次相続を防ぐためにできること
数次相続の多くは、生前対策で予防できます。
1. 遺言書を作成する
遺言があれば、相続分が明確になり、遺産分割がスムーズになります。
2. 相続発生後は早めに手続きする
「忙しいから後で」は禁物です。
放置するほど相続人の数が増え、手続きが困難になります。
3. 家族の健康状態を踏まえて早めの相談を
高齢の相続人が多い場合、早めの遺産分割や登記が特に重要です。
数次相続についてのまとめ
数次相続とは、相続手続きが完了しないうちに相続人が亡くなり新たな相続が連鎖的に発生すること。
特徴としては、
- 相続人が急激に増えて協議が難しくなる
- 戸籍調査が複雑化する
- 不動産の名義変更が長期間できない
- 放置すればするほど問題が拡大する
という点が挙げられます。
相続をトラブルにしないためには、早めの生前対策と相続発生後の迅速な対応がとても重要です。
数次相続が疑われる場合もご相談ください
当事務所では、
・複雑な相続人調査
・相続関係説明図の作成
・遺言書の作成支援
・遺産分割協議書の作成
・相続登記に必要な書類作成
など、数次相続に伴う問題にも対応しています。
「相続人が多すぎて整理できない」「遺産分割が長年進んでいない」という場合も、どうぞお気軽にご相談ください。
