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遺言執行者は必要か

更新日:2025年11月29日
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遺言書を作成する際のご相談で、「遺言執行者は決めなければいけませんか?」「誰を選べばいいのですか?」といった質問をいただきます。“遺言執行者”とは、遺言の内容を実際に実現させる役割を担う人です。

結論から言うと、遺言執行者の指定は必須ではありませんが、実務上は定めておくことを強くおすすめします。遺言書に遺言執行者がいない場合、相続手続がスムーズに進まなかったり、相続人間で意見の対立が生じるリスクが高まるためです。

今回は、遺言執行者の役割や選任の必要性、指定しない場合のデメリットについて解説いたします。

遺言執行者とは

遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を確実に実現するための責任者です。

具体的には次のような仕事を行います。

  • 不動産の名義変更や預貯金の払戻し
  • 相続財産の管理
  • 相続人への財産の分配
  • 未成年後見人の選任など、法律上の手続
  • 相続人への通知や説明

これらの手続は専門的である上、相続人の間で意見が分かれることも多く、第三者が中立的に進めることが非常に重要になります。

遺言執行者を定めるメリット

遺言書に遺言執行者を指定しておくと、相続手続が驚くほどスムーズになります。主なメリットを以下にまとめます。

相続手続が迅速で確実に進む

遺言執行者には単独で財産管理を行う権限があるため、相続人全員の同意を取り付ける必要がありません。特に、不動産登記や口座の解約などは、相続人が多いほど手続が複雑化します。遺言執行者がいれば、これらの手続きを一任できます。

相続人同士の争いを防ぐ

遺言の内容に納得できない相続人がいると、誰が手続きを進めるのかで争いが起きることがあります。中立的な遺言執行者がいれば、手続の透明性が保たれ、無用な衝突を避けやすくなります。

財産の紛争リスクを大きく軽減

遺言執行者には財産管理義務があり、領収書や作業内容を記録しながら業務を行います。曖昧な管理が原因で相続人間の不信感が生まれることを防ぐ効果があります。

遺言執行者を定めないとどうなるか

遺言に遺言執行者がいない場合、次のような問題が起こる可能性があります。

相続人全員の同意が必要になる

遺言内容を実行するために、相続人全員の協力を得なければならない場面が増えます。1人でも反対すれば手続が進まないこともあり、時間と労力がかかります。

相続人の代表者を選ぶだけで揉める

誰が手続きを代表してやるのかという話し合い自体が、大きなトラブルの原因になることがあります。
特に、不動産があるケースや、兄弟姉妹の仲が悪い家庭では問題化することが多いです。

財産の管理が不十分になるおそれ

相続財産の管理を誰が行うのかが曖昧になり、紛失・漏れ・勝手な処分などのリスクが生じます。

遺言執行者は誰を選べば良いのか

遺言執行者は、相続人でも第三者でも専門家でもOK です。
ただし、以下の点に注意する必要があります。

公平性・信頼性がある人

相続人の誰か一人に偏った判断をしない人が望ましいです。

手続に詳しいか

不動産登記、銀行手続、役所の届出など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。知識がないと、逆に手続が遅れてしまうこともあります。

高齢すぎないこと

選んだ人が先に亡くなったり、健康上の理由で業務ができなくなる可能性も考慮する必要があります。

行政書士など専門家に任せるメリット

専門家であれば法律や手続に精通しており、相続人の感情的な対立を避けながら、確実に相続を進められます。特に、相続関係が複雑な場合は、専門家を指名することをおすすめします。

遺言執行者は変更・追加も可能

一度指定した遺言執行者も、遺言書を作り直すことで変更できます。
「最初に選んだ人が高齢になった」「関係性が変わった」という場合でも、適宜見直すことで万全な体制が整います。

また、複数人を指定することも可能ですが、役割が重複して混乱する恐れがあるため、基本的には1人の方が望ましいです。

遺言執行者は「指定したほうが安全」

遺言執行者の指定は義務ではありませんが、

  • 手続の迅速化
  • 相続トラブルの防止
  • 財産管理の明確化
  • 遺言内容の確実な実現

といった多くのメリットがあり、実務上は非常に重要な項目です。

遺言書を作成される際は、誰に遺言執行者を依頼すべきかをぜひ検討してください。当事務所では、
遺言書作成のサポートはもちろん、遺言執行者としての業務にも対応しておりますので、安心してご相談いただけます。

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