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認知症でも遺言は書けるのか

更新日:2025年11月29日
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相続や遺言に関するご相談の中で、「認知症の家族に遺言書を作ってもらうことはできますか?」という質問を多く受けます。「認知症」と聞くと、判断能力が低下して何も決められなくなるというイメージを持つ方もいますが、認知症だから絶対に遺言書が作れないというわけではありません。

遺言書の有効性を決めるのは、病名ではなく「遺言能力」があるかどうかです。今回は、認知症と遺言書の関係について解説します。

認知症でも遺言書を作成できる場合がある

結論から言うと、認知症と診断されていても、遺言書を作成できる場合はあります。

遺言書が有効になるためには、

  • 自分の財産の状況を理解している
  • 誰にどの財産を渡すか分かっている
  • その結果どのような効果が生じるか理解している

など、最低限の判断能力が必要です。
これを「遺言能力」といいます。

遺言能力は、その人が普段どういう状態かではなく、遺言書を作成した時点であったかどうかが判断基準となります。

認知症の進行度によっては能力が認められます

認知症といっても、その進行度は人によって大きく異なります。軽度であれば、遺言能力があると判断されるケースは少なくありません。

遺言能力が認められやすい例

  • 認知症が軽度で日常生活に大きな支障がない
  • 質問に対して適切に受け答えができる
  • 自分の財産内容を理解している
  • 相続人の関係を把握できている

このような状態であれば、遺言書の作成が可能と判断されることがあります。

判断能力が疑われる例

  • 中度~重度の認知症で判断力が低下している
  • 自分の財産内容を把握できない
  • 相続人の関係が理解できない
  • 説明をしても内容を理解できない

このような場合は、遺言書が無効とされる可能性が高くなります。

認知症の場合に重要なのは「証拠を残すこと」

認知症の方が遺言書を作成するときに最も重要なのは、作成時点で遺言能力があったことを後で証明できるようにしておくことです。

医師の診断書を取る

もっとも有効なのが、医師による「遺言能力がある」との診断書です。
遺言書を作る日と同日に診断を受けるとより確実です。

作成時の状況を記録する

  • 本人がどのように説明を聞いていたか
  • 質問にどう答えていたか
  • 家族が誘導していなかったか
    といった状況を記録しておくと、後のトラブルを大幅に防げます。

公正証書遺言にする

認知症がある方の場合は、公正証書遺言で作成することが非常に有効です。
公証人が本人と直接面談して判断能力を確認するため、後から無効と主張されづらくなります。

重度の認知症では遺言書の作成は難しくなる

認知症が進行して、

  • 内容を理解できない
  • 財産や相続人が分からない
  • 本人の意思が確認できない

という状態になると、残念ながら遺言書の作成は難しくなります。

その場合は、

  • 成年後見制度
  • 家族信託
  • 生前贈与
    など、別の方法を検討する必要があります。
家族が注意すべきポイント

認知症の方が遺言書を作成する場合、家族にも注意していただきたい点があります。

  • 本人の意思を尊重する
  • 誘導・圧力をかけない(後に無効の原因になります)
  • 専門家・公証人と協力して進める
  • 時間をかけて丁寧に説明する
  • 医師の診断を受けておく

これらを守ることで、遺言書が無効になったり、相続争いに発展したりするリスクを減らすことができます。

認知症でも遺言書が作れる可能性は十分あります

認知症だから遺言書が作れないというわけではなく、遺言書を作成する時点で判断能力があるかどうかが最も重要です。

  • 軽度の認知症なら作成可能なケースが多い
  • 診断書や公正証書遺言で証拠を残すことが大切
  • 状況に応じて他の制度を検討することも必要

認知症の可能性がある場合は、早めに専門家へ相談することで、無効リスクを大きく減らすことができます。

当事務所では、

  • 認知症の方の遺言書作成支援
  • 公正証書遺言のサポート
  • 成年後見制度・家族信託の相談
    など、幅広く対応しております。

ご家族の将来に不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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